株式会社スプリックス(本部:東京都豊島区/代表取締役社長:常石博之)が運営する基礎学力研究所では、学校現場におけるCBT並びにGIGAスクール構想に関する教員の意識を把握すべく、同社が運営する授業準備ネットを通して教員425名を対象に意識調査を実施いたしました。
今回の調査では、教員の80%が「『CBT』を実施したい」と回答しました。加えて、CBTの認知度が50%を超え、半年で17ポイント増加していることが判明し、1人1台端末活用法の一つとして、『CBT』が大きく期待されていることが示唆されました。
一方で、「『CBT』を認知しているものの活用できていない教員」の割合は61.8%と高く、現在の学校現場に即した、活用しやすい『CBT』システムが待たれている状況であるといえます。
スプリックスが運営する、教員のための授業準備情報サイト「授業準備ネット」の会員425名を対象に「学校現場におけるCBT並びにGIGAスクール構想に関する意識調査」を実施したところ、「『CBT』を実施したい」と答えた教員の割合は80.2%となり、前回の調査実施時*から14.2ポイント増加しました。
GIGAスクール構想を経て、現在学校現場では端末の導入が概ね完了し、今後どのように端末を活用していくか、といったソフト面の課題解決へフェーズが移行しつつあります。そのような状況の中で、1人1台端末活用を拡大させる柱として、『CBT』への期待感が高まっていることが明らかになりました。
『CBT』の認知率は51.8%と、前回の調査実施時*より16.8ポイント増加していることがわかりました。残業時間別の割合をみると、残業時間の少ない層と多い層の両端で『CBT』の認知率が高い傾向にあります。
残業時間が少ない層は、『CBT』をはじめ、端末活用による業務の効率化を実現できている一方で、残業時間が多い層は自身の働き方改革にも関心があると推測されるため、その一つの解決策として『CBT』に対する認知度も比較的高くなっていることが予想されます。
授業内での1人1台端末の使用頻度について調査したところ、53.2%の教員が「毎日使用している」と回答したほか、「週2~3日使用している」と回答した人を合わせると、80%以上の教員が日常的に端末を活用できていることが判明しました。一方で、「週1日以下」と回答した教員はわずか19.3%にとどまり、前回調査時*の約30%と比べると、配備直後から顕著であった端末活用の格差が是正されてきたといえます。
また、GIGA スクール構想から数年が経過し端末活用が浸透してきた中、教員の約2人に1人がデータ活用により児童生徒の成績把握が容易になったと回答したほか、3人に1人以上が校務軽減につながっていると感じていることが判明しました。『CBT』をはじめとする教育ICTの活用により効率的に校務を行うことが可能となり、教員の働き方に変化の兆しが見え始めたことが伺えます。さらに、ビデオ通話など端末を利用することで、地域に縛られないオンラインでの交流が可能となり、学びの幅が広がる点にメリットを感じている教員も多いことがわかりました。
『CBT』を導入している教員にそのメリットについて質問したところ、「採点業務の削減が実現すること」と回答した人が69.5%との結果になりました。また同様に、「データ蓄積による児童生徒の成績推移把握が容易となること」と回答した教員も69.5%と、CBTならではのデータ活用についてもメリットに感じている教員が多いということがわかりました。
一方で、『CBT』の課題としては、「ネットワーク環境に左右されること」が56.4%と最も多く、「問題作成の自由度が低いこと」や「授業内容と問題に差異が発生する可能性があること」も挙げられており、学校現場や教員の実態に寄り添った『CBT』の必要性が高まっています。
『CBT』を認知している教員を対象に、『活用方法』を質問したところ、61.8%が『知っているが活用できていない』と回答しました。これによりCBTについては認知度やニーズは高まっているものの、導入状況については依然課題があることが伺えます。一方で、『CBT』を実施している教員の活用手段は「理解度チェックのためのミニテスト」や「自習時のドリルの替わり」、「単元ごとのまとめテスト」との回答が集まりました。教員が感じている課題を払しょくし、活用の目的に即した『CBT』システムが待たれている状況であるといえます。